2026年4月11日土曜日

xTalks Vol.35 テーマ:AI時代のウェルビーイング・ツーリズム ―地域を元気にする「新しい旅」のつくり方―

Vol.35のレポートは、工学部の小酒井が担当します。
今回ばかりは、個人的な「想い」からスタートさせてください。

「旅に出ると健康になる」

いきなりそんな話を聞くと、少し疑いたくなりますよね?
でも、最近よく聞くようになりました。私だけでしょうか?

温泉に入って、地元の美味しいものを食べて、自然の中を歩く。

たしかに良き。
むしろ、だいたいの人はゴキゲンになるでしょう。

でも、それはそう簡単に、持続可能なゴキゲン状態=Well-beingが高い状態に繋がるのでしょうか?

しかも、それをどこでも再現可能なモデルとして設計できるのか。

さらに、その問いを今回のテーマに繋げてみます。

山口県で生まれつつあるウェルビーイング・ツーリズムは、秋田県でも成立するのか。

今回のVol.35は、私個人としては、この少し無茶な問いを、あえて真正面から扱ってみる回でした。

そして正直に言うと、もう一つ狙いがありました。
今回の話が出てきたのは、2026年1月の新年会のとき。
そのときから、ずっと頭に引っかかっていたことがあります。

「これ、うちの研究室が巻き込まれそうだな。。。。で、マジでできるのか?」

山口県での事例は、とても面白そうだ。
秋田県でやろうとしていることも、確かに筋は通っている。
ただ、それを「自分たちがやる側」に回った瞬間、話は別。

①学生が関わって成立するのか?→本学の学生さんたちなら、きっとできる。

②地域は受け入れてくれるのか?→これまで私が築いてきたネットワークなら、きっとできる。

③本当に回るのか?→ここが一番ヤバい。正直よく分からない。

少し引いた位置から見れば「面白い話」で済むものが、一歩踏み込むと、途端に「心配」になる。

それでもなお、「ちょっとやってみたい」と思ってしまう自分。

むしろ、その「心配」を振り払い、やってみながら考え、最後までやりきる執念こそが、本学のESTEAM教育に必要なのだろうと思います。

だからこそ今回は、仲間が欲しい。喉から手が出るくらい欲しい。

現実的な意味合いもあって、「できる前提で語る」のではなく、「やるかもしれない前提で疑いながら、一緒に進めてみませんか?」というスタンスで臨みました。


まずは1つめの話題提供。
須原誠さんによる「エストニア風ヤマグチ:ウェルビーイングと旅の融合」


在日本エストニア全権大使補佐官という経験を持つ須原さんだからこそ、IT要素を織り込んだ“エストニア風”のヤマグチモデルが提示されました。

医療データ、運動、食事、睡眠。
それらを統合し、「健康になるプロセス」そのものを地域に組み込む。
まさに、山口に住む人々のウェルビーイングを「設計対象」にする試みです。

この中で、参加者の空気が一変した一言があります。

「病院にあるのは健康データではなく“不健康データ”」

言われてみれば当たり前ですが、この一言で前提がひっくり返ります。

そもそも、ウェルビーイングが高い状態とは「健康な状態」です。

医療との結びつきを再設計しなければならないことが、非常によく分かる指摘でした。

さらにもう一つ。

「データ連携ができないのは、そもそも仲良くないから」

これも本質を突いています。

つまりこのモデルは、テクノロジーの話をしているようで、実はかなり人間関係の話をしている。

タイトルである「AI時代のウェルビーイング・ツーリズム」は、きっと人間関係の壁を乗り越えなければ実現できない

「人が動かなければ成立しない」のです。

そして問題は、これをどの地域でも再現できるのか、という点にあります。
でも、それをやるのが、これからの私たちSTREAM Styleチームの仕事でもあります。

さて、いつも通り、ここでLightningTalk(LT)のコーナーで、異なる視点からのノイズをいれました。

LTの1つめは運営メンバーでもある濵田英毅先生。
鎌倉街道をロングトレールとして再生し、地域の歴史資源をつなぎ直す構想が紹介されました。実現のためには、行政の壁を取っ払う必要性があるとのこと。
まさにその通りですね。


2つめは、東洋メディアリンクスの北澤謙二さんだったんですが、体調不良でお休みでしたので、代わりに小酒井から、東洋メディアリンクスさんが目指す新しい構想について紹介しておきました。これはそのうち別の形で話題提供されそうです。

さて、2つめの話題提供。
「秋田はコレがある!:本物のウェルビーイングと出会う旅」
本来は木村朱門さん(株式会社Heliex)のご登壇予定でしたが、体調不良のため、須原さんが続けて担当されました。


ヤマグチモデルを秋田に導入する。

きっと、すんなりとはいかないチャレンジです。
理由はシンプル。
条件が違いすぎるから。

私が約10年関わって学ばせてもらった秋田県は、「良いものはありすぎるくらいあるが、つながっていない状態」です。

この状況に対して提示されたのが、健康から逆算する旅の設計。
ステークホルダーは、観光客だけではありません。
地元住民、企業、観光協会、行政。
さらには文化や歴史そのものも含まれます。

だからこそ、安易に観光から入るのではなく、健康・食・生活・アクティビティを軸にすることで、結果的に「訪れる理由」を設計していく必要があります。

では、成立条件は何か?

それを探るために、参加者の皆さんに知恵を借りました。


そこでテーブル座談会のテーマは、「ウェルビーイングを高める旅は、どう設計できるか?」

4つの視点から議論していただきました。
① 誰のウェルビーイングを高めるのか
② どんな体験を設計するのか
③ それを支える仕組みは何か
④ 地域にどんな価値が循環するのか

妄想力の勝負です。xTalksの参加者にはピッタリ😆


議論を通じて見えてきたポイントは、次の3つです。

① 主観的健康が超重要
「なんか調子いい」がかなり重要。だからこそ、観光との相性は抜群。

② テクノロジーは補助
AIやデータだけでは回らない。つまり、工学だけでは完結しないモデル。

③ よそ者が価値を見つける
よそ者が、地元の人たちが価値に気づき、産業へと繋げるための着火剤になる。

テーブル座談会の議論の中身は、いつも通りかなり自由で「雑」。
でも、「それやってみたいかも」が多く生まれました。


この「雑さ」は重要です。
完成度よりも、関与したくなるかどうかの方が、この段階では価値が高い。

ヤマグチモデルは、秋田にオマージュできるのか。
正直、まだ分からないことばかり。

ただ一つ言えるのは、
もし少しでも引っかかったなら、たぶんそれ、もう半分巻き込まれてます😆

次は、秋田県の現場で一緒にやりましょう。
よろしくお願いいたします!!🙇🙇🙇


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xTalks Vol.35
AI時代のウェルビーイング・ツーリズム
―地域を元気にする「新しい旅」のつくり方―

「旅」は、単なる移動から「自己と地域をアップデートする体験」へ。

テクノロジーとデータの活用は、私たちの健康や能力をどのように最大化し、いかにして地域経済を循環させる動力に変えていくのか。

本イベントでは、循環型社会とシステムデザインの専門家である須原誠氏(青山学院大学)と、ヘルスケアテックの力で人々のパフォーマンス向上を支援する医療スタートアップ、株式会社Heliex木村朱門代表をお招きします。

社会の最適化を目指すSDGsの視点と個人の最適化を追求するヘルスケア・ウェルネスの知見。

山口県での成功事例と秋田県での新たな挑戦。

一見異なるフィールドにいる二人の掛け合わせから、これからの地域活性化の鍵となる「新しい旅のつくり方」を徹底議論します。

●こんな方にオススメ

・AI・データ活用による地域創生や観光モデルの転換に関心がある方
・ウェルビーイングをビジネスの視点から紐解きたい方
・テクノロジーを活かした「新しい社会実装」のヒントを探している方

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日時:4月10日(金) 18:00~20:30
場所:玉川大学STREAM Hall 2019 アカデミックスクエア(1-2F)

話題提供:
①須原誠さん(青山学院大学SDGs/CE研究所
「エストニア風ヤマグチ:ウェルビーイングと旅の融合」

②木村朱門さん(株式会社Heliex
「秋田はコレがある!:本物のウェルビーイングと出会う旅」


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